4月15日
入浴サービス最終日です。時間も片づけの関係上PM1:00まで。
朝からびっくり!お湯運送チームの御帰還がとんでもなく早い!
最終日だからと、頑張ってくれたのでしょう。
何時にスタートしてくれたのかは訊きませんでしたが、
きっとほとんど寝ていないはずです。
しかも帰りに約1000km運転しなければならないのに・・・
スタッフ全員が被災地への情熱だけで行動しています。
前日の出来事で書かなかったことを書きます。
アイナカさんから、
たかやんのテントで子供らが遊んでんで!
と言われ、見に行ってみると、
やってる、やってる、
キャーキャーワーワー。
3人がとても楽しそう。
テント倒壊の危機かと思うほどの元気の良さ。
広く使わせてあげようと、テントの中の荷物を整頓。
するとある男の子がおもちゃの取り合い。
子供同士ではよくあること。
一人の男の子が、3つのおもちゃの内2つを持ったまま他の子に貸さない。
年のころは3人とも4歳程度。
残った一つは女の子が持ってしまうと、もう一人の男の子はおもちゃで遊べない。
それでもしばらくおもちゃの取り合いが続く。
仕方がないので、おもちゃの当たらない子に、
おじちゃんが抱っこしてあげよか?
と言うと、うれしそうに答えてくる。
次の瞬間他の2人も抱っこをおねだりしてくる。
おじちゃん3人の抱っこは無理だから、
一人はおんぶしてあげる。
と言うと、全員がおんぶをおねだりしてくる。
この子たち、見かけは元気だけど深い傷を負っている事に気がついた。
こんなやり取りが15分ほど続きふと気がついた。
子供たちの胸には、名札が付いている。
フルネームの名札の子もいれば、
ガムテープに手書きのマジックでTちゃんと書かれている子もいる。
そうか、ニックネームだけの子は所在を説明してくれる人が周りにいない子なのか?
一見友達同士に見える子供同士も、避難所で初じめて出会いあそんでいるようだ。
だから、本人がしゃべること以上の情報がない。
Tちゃんいくつかな?と訊くと、
周りにいる子が、Tちゃんは4歳らしいよ!と答える。
もう一度Tちゃんに同じことを聞くと、
Tちゃんは、自分の口をちょんちょんと人差し指で軽くたたいた。
その瞬間、胸が締め付けられる想いで、彼を抱きしめた。
Tちゃんは口がきけない(涙)
ひょっとすると、震災とは関係ないのかもしれませんが、
変な憶測が頭をよぎり、この子たちが不憫に思えてならない。
今の僕には、この子たちを抱きしめてやることしかできない。
そんな自分のちっぽけさに、悔しさだけが湧き上がってくる。
そういえばこの子、遊びに来るたびに、履いている靴が違う。
全て大人の靴。
初日に「おばあちゃんの靴、どこにやったのよ!!ほんとにこの子は!!」
すごい剣幕でしかりつけたお母さんに、
まあまあ、となだめたのを思い出した。
その時の子がこのTちゃん。
おかあさんじゃなかったんだ(涙)
元気の出るお風呂も閉店寸前。
活動4日間でTちゃんは、誰か大人と一緒にお風呂に入りに来ることはなかった。
事情を把握するのに最低数日は必要なことを知った。
悔しい。わかっていれば・・・
この子たちに何もしてやれなかった。
それが心残りです。
2011.04.15
つづく